Google Gears + P2P でもう1つのインターネットができるんじゃないかという妄想をしました
昨日(5/31)、Google が「Google Gears」というおもしろい技術を発表しました。
Google Gears とは、オンラインサービスやサイトをオフラインでも見れるようにする技術です。マイコミジャーナルのここやここを読めば、どんなものか大体わかると思います。すでに Gears 対応サービスになっている Google Reader を例にとると、オンライン時にブログ記事などを取得しておいて、喫茶店でノートパソコンを開き、のんびりと読むというようなことができるようになります。逆に、オフライン時にした変更は、オンライン時に同期されるようです。
ちなみに、Google Reader の開発者は、自分が使いたいために対応したそうです。
「Google Readerの開発者はバスで通勤しており、ネットワークがつながらない環境でもGoogle Readerを使いたいと思っていた。このため、Google Gearsの開発のうわさを聞きつけて真っ先に対応した」とGoogleの担当者は裏話を明かす。
これがGoogleブラウザの正体?--オフラインでもウェブアプリが使える「Google Gears」 - CNET Japan
やっぱりインパクトのあるデモがあるかないかで、伝わりかたが違いますよね。
いずれにしても見かけのインパクトがあることは重要である。 10年以上鳴かず飛ばずだったRubyは、やはりデモで華がない。あれはダメだよね。いくらなんでも「Hello World」じゃ。
それに比べて、Ruby発展の起爆剤になったRailsのデモのインパクトのあること。「15分でWebアプリケーションをゼロから作ります」とか。マーケティングの極意はやはり「見せて理解してもらうこと」にあると感じた。
Matzにっき(2007-05-18)
Google Calendar は、今でもある程度オフラインで使えるようになっていますが、それはページを開きっぱなしにして持ち歩いた場合に限るので、PC をシャットダウンし起動し直した後でもデータを参照できる Gears とは比べ物になりません。Gmail や Google Docs & Spreadsheets もやがて対応すると考えられますが、そうなると Microsoft の Office からの乗り換えを考える人が増えそうだし、おもしろくなりそうです。もちろん、ネット上にデータが流れるというセキュリティ上のデメリットは残りますが。それから、データは SQLite に保存しているらしいのですが、確か OSX の spotlight も SQLite を使ってるはずなので、うまいこと検索できたりしないかな、なんて考えも浮かんできます。
ところで、Gears には「ローカルサーバ」という機能がある。サーバと言っても、Web ページのリソースをキャッシュする程度らしいのだけど、ユーニークなキー(URL)に対応するリソースを、オンライン、オフラインのあちこちでみんながローカルディスクに保持しているというと、Winny のような P2P アプリケーションを連想してしまう。
もし、Google Gears に P2P 機能を付けたら、インターネット上に巨大なキャッシュのネットワークができあがるのではないだろうか。ブックマークを辿ってみたら、すでにそのページが無くなっていたので、誰かが持っているキャッシュファイルをもらって参照なんていうことができて便利そうだ。
さらに進めると、別に http:// じゃなくてもいいや、ってことになって、geras:// でアクセスしようとした場合は、フックして P2P を探しにいこう、ってことになったら、インターネットの裏っかわで別のネットワークができて楽しそうだ。
というオフラインとは真逆の妄想をしました。