梅田望夫さんのLingrイベントを読んで
梅田望夫さんを囲むLingrイベント(こちらできれいにまとめられています)が催されました。このイベントと周辺エントリを読んで、僕が思ったあまり関係ないような話を書きます。
ほめることについて
ネット空間で特に顕著だが、日本人は人を褒めない。昨日もLingrイベントで言ったけど、もっと褒めろよ。心の中でいいなと思ったら口に出せ。誰だって、いくつになったって、褒められれば嬉しい。そういう小さなことの積み重ねで、世の中はつまらなくもなり楽しくもなる。
直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け、人を褒めろ、人の粗探ししてる暇があったら自分で何かやれ。 - My Life Between Silicon Valley and Japan
もしかしたら人間はいくつになっても、頑丈な精神を持つことってできないんじゃないか、と僕は思っている。誰かに言われた些細なことを真に受けてしまい、一日の終わりまで尾を引くことが未だにあるのだ。でも逆に、誰かに褒められると、それがお世辞だと分かっていても、やはり嬉しい。そして自分の意に反してにやけた顔をしてしまう。不思議なものだ。
例えば「もしかしたらこの人は僕のことを憎たらしいと思ってるのだろうか」と思っている人がいて、ある日その人から褒められたりお礼を言われたりするとどう思うだろうか。「この人はそんなに悪い人じゃないんだな」と感じて少し心を開くようになるのではないだろうか。もちろん僕が単純だからかもしれないが。
デイル・カーネギーは「人を動かす」の中で4度に渡ってほめることについて書いている。
Part2-6 心からほめる
Part4-1 まずほめる
Part4-6 わずかなことでもほめる
付-4 ほめる
節のタイトルを並べただけだが、まるでカーネギーが語りかけているようだ。
人を変えようとして、相手の心のなかにかくされた宝物の存在に気づかせることができたら、単にその人を変えるだけでなく、別人を誕生させることすらできるのである。
「人を動かす」- Part4-6 わずかなことでもほめるより
自分のものはかわいい
WAYER:私だけかもしれないけれど、発言をけなされると、自分自身がけなされたように感じちゃって、ヒートアップしちゃうことがありました。これ、自分自身の反省点
2007/3/17 梅田望夫 Lingrイベントまとめ - 人間学とコンピュータを極める。
長い間着ている服には愛着が湧く。少し汚れていたり、擦れていたりしても、ずっと一緒にいた服には、服そのものの魅力だけでなく、僕にしか分からない価値がべったりとくっついている。段々飽きて来て、この服ちょっと変だなと思っていたとしても、誰かにそう言われたら、僕はその服の側に回って反論するだろう。そんなことは自分でも分かっている。でも君に軽々しくそんなことは言われたくないんだ。この服は確かに変だけど、僕にしか分からないいいところだってあるんだからね。そう言い返すだろう。
自分が発した意見だって同じだ。いつまでも同じことを考えている訳ではない。自分でもおかしいと分かっていたとしても、それをはっきりと批判されたら、気分が悪い。僕を批判したいというのではなく、親切で指摘してくれているのならば、方法は他にもあるはずだと思う。ただ相手を批判したいというだけでないのなら。
相手がまちがっていると思ったときにはー思うばかりでなく、事実、それが明瞭なまちがいだったときにも、こんなぐあいに切り出すのがいいと思うがどうだろうー
「実は、そんなふうにはかんがえていなかったのですがーおそらくわたしのまちがいでしょう。わたしはよくまちがいます。まちがっていましたら改めたいと思いますので、ひとつ事実をよく考えてみましょう」
「人を動かす」- Part3-2 誤りを指摘しないより
批判している暇なんてない
でも、梅田さんがこの言葉を投げかけてる対象は「あなた」であって「いない誰か」ではない。
http://naoya.g.hatena.ne.jp/naoya/20070319/1174330486
ある日どこかで、どうにも仲良くなれない人と出会ったとする。そこで、その人を批判し、自分の思い通りに変えようとするのは僕にとって最前の方法だろうか?
仮に、その仲良くなれないあいつに文句を言って、あいつを変えたとする。少しは付き合い易くなるかもしれない。でもまたあいつみたいな人に出会ったらどうするのだろうか。また文句を言うのだろうか。こんなエンドレスな戦いはうんざりだ。あいつに惑わされないような方法や考え方を、僕自身が身につけた方がよっぽど効率的だと思う。
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