生ビールと瓶ビールとコーヒーと雨


生ビールと瓶ビール。飲食店や居酒屋で始めに一杯ビールを飲む時は、だいたい生ビールを選んでいた。長い間、瓶に閉じ込められていたビールより、ピッチャーから飛び出す生のビールの方が美味しいと思っていたからである。

ところが最近は、瓶ビールの方が美味しいと思っていて、そちらの方を注文するようになった。何故だかはよく分からない。単に、安い居酒屋で薄められた生ビールをたくさん飲まされてそれが頭にベッタリとこびり付いてしまったのかもしれないし、大きなジョッキで飲むより小さなグラスで飲んだ方が手の収まり具合から親近感が湧くのかもしれないが、それはともかく、ある女の子がこんなことを言っていたのを思い出した。

コーヒーってカップに口を付けて飲むより、スプーンですくって飲んだ方が美味しいよね。


その女の子とは、あまりうまくいかなかったけど、「雨の日は嫌だけど、雨の音って拍手されてるみたいでいいよね。」などと、中々おもしろいことを言う子だった。