オブジェクト倶楽部2007夏イベントに行ってきました
6/20 に開催された オブジェクト倶楽部2007夏イベントに行ってきました。
僕が参加したセッションは次の通りです。
感想とメモを書きます。
基調講演:アジャイル開発元年 - 平鍋 健児さん
Ruby べた褒めでした。Ruby 倶楽部にしちゃおうかなって言ってました。
以下メモ。
- バリバリのアジャイルで開発している人?→数十人が挙手
- ウォーターフォールで開発してる人?→ほとんどが挙手
- 生産性を挙げるためには?
- OO は技術であるので、人の生産性をあげるためにアジャイルを活用する
- 大きな会社も 3k といわれる状況がまずいことに気づいている
- ソフトウェアの機能の約半分は、全く使われていない or ほとんど使われていない
- ビジネス部門と IT 部門に分かれている場合
- ビジネス部門→ 市場のアウトプットはリリース、IT 部門→ビジネス部門のアウトプットは納品
- ビジネス部門に IT 部門が含まれている方がいい(エンジニアがよりよいサービスにしようと思って開発する)
- トヨタ生産方式は参考になる
- ウォーターフォールでもアジャイルはできる!
- Ruby は人間が見て、何をやろうとしているか分かりやすい。ノイズが少ない。
- ビジネスは Web2.0 に、開発プロセスはアジャイルに、言語は Ruby に、フレームワークは Rails に
主賓講演:Wiki と XP をつなぐ時を越えたプログラミングの道 - 江渡 浩一郎さん
wiki が好きで、何年も研究をしているそうです。wiki の現状、起源、前身、誕生をテーマにデザイン、建築、パターンランゲージ、HyperCard、XP と絡めたお話で、とてもおもしろかった。RubyKaigi では、グラフィック系のプレゼンをしていましたが、アートや研究のためのプログラミングという感じがして、かっこいい。
ML と wiki を統合した qwik.jp というサービスを作っているらしいです。この qwik.jp は初めて知ったのですが、おもしろそうなので、試してみたい。
以下、特に印象に残ったところのメモ。
- 人工的な都市はツリー構造になるが、自然都市はツリーでない。一つの場所に複数の意味が同時に存在する。
- パターンランゲージを使うと発注者と受注者が参加することができる
- 「Using Pattern Languages for Object-Oriented Programs」
- Ward Cunningham と Kent Beck のパターンランゲージのプログラミングへの適用に関する論文
- インターフェースにおけるパターンの記述がある
- 原文:http://c2.com/doc/oopsla87.html
- kdmsnr さんによる日本語訳:http://capsctrl.que.jp/kdmsnr/wiki/transl/?UsingPatternLanguagesForOOP
- wiki の前身は、Ward Cunningham が HyperCard を使って作ったパターンブラウザ
- 最初の wiki エンジンは WikiBase
- wiki も XP も Ward Cunningham と Kent Beck から生まれた
- wiki サイトは一つのプログラムである
- 人間に向けてのプログラムが書かれているのが wiki サイトなのではないか?
- wiki ページ作成のルール
- ドキュメントモードが目標
- ドキュメントモードとは、客観的な記述
- スレッドモードとは、主観的な記述、議論
- wikipedia は、スレッドモードとドキュメントモードが明確に分離されているのが最大の特徴
- Christopher Alexander が提唱したパターン・ランゲージが今も使われているのは、実はソフトウェア界だけ
- なぜソフトウェアでは成功したかを考えると、建築にも適用できるのでは?
- プログラミングをするように wiki ページを書く
- ページ名はクラス名のように
- ページをリファクタリング
GTD + R で日々の仕事をカイゼンしよう! - 太田 憲治さん
RHODIA を使った GTD を同じテーブルに座った5、6人で体験するワークショップでした。RHODIA の紙を破る練習とか、サインを書く練習とかをしました。その時に、10 分かけてニコニコ顔付きのサインを考える時間がとられました。
ニコニコ顔というよりは、くたびれたおじさんぽい。
後は、GTD の例のあれを実際に作りました。
そのまま使えるので、家で利用することにしました。
ところで、同じテーブルの人と少し話したのですが、みんな普通にマインドマップを使ってることに驚いた。
ソフトウェア開発ゲーム - 水越 明哉さん
「進捗報告」というゲームをするワークショップ。名前のインパクトもすごいですが、結構楽しかった。バグを隠し通した人が勝ちというダウトみたいなゲームですが、さすがよくできてるゲームなので、どこかでやってみたいものです。ワークショップの目的はテーブルのメンバーで話し合ってより良いルールを作ろうというものでした。
ところで、はてなでは採用の際に人となりを見るために、呼んでゲームをするらしいし、チームのコミュニケーションをとるためにゲームがよいという話もありますが、ゲームは本当に知らない人と仲良くなるのに最適なツールだと思いました。
アジャイルツール!オブラブ夏イベント号外発行!! - 懸田 剛さん
メールマガジン「オブジェクト倶楽部」で連載しているアジャツールの紹介です。デジカメで日常の風景を撮って思い出にする、というのはいいなと思いました。みんなで写真をとり合うだけで、楽しい雰囲気になりそう。でも、セキュリティー上の問題からカメラは持ち込めない、と同じテーブルの人が言ってました。そうだった。
それからニコニコカレンダーというのは初めて聞いたのですが、なんだかおもしろそうな雰囲気が漂っていたので、あとで調べようと思いす。
イベント全体に言えることですが、XP って変更に柔軟な開発プロセスというだけではなくて、開発って楽しいものだというコンセプトがあったことを忘れていました。
閉会挨拶
平鍋さんがこんなことを言ってました。
仕事をしていると誰でも悩みはできるけど、実は悩みってそんなにたくさん種類があるわけじゃないんじゃないかと思っています。だから、この場に自分と同じ悩みを持ってる人がいるかもしれません。自分と同じ悩みを持ってる人と話をして、ここで解決できるような場になればいいと思ってます。横の繋がりを大切にして、業界全体が良くなればいいと思ってます。さあ懇親会に行こう!
本を購入
このようなイベントに来ると、いつか買おうと思っていた本が並んでて、つい買ってしまうものですが、今回は「JavaからRubyへ ―マネージャのための実践移行ガイド」を購入しました。そうしたら、後ろで訳者の角谷さんがサイン会をしていたので、サインを書いてもらった。せっかくなので、Twitter では勝手に add させてもらってますと話したら、次のような会話になりました。
「たくさんいてよく分からない状態なんですが、ID は何ですか?」
「satoship です。さとしに P です。」
「Lisper なんですか?」
違います、と答えたけど、そういうことにしようかなと思いました。